贈与税とは、1年間の間に一定額を超える現金や不動産、証券などの有形財産を個人から無償で貰った際に、その無償提供を受けた財産に対し課税される国税の事です。
贈与税額は一般的に超過累進課税制度を用いて算出します。
贈与税は、相続税と違い、被贈与人が生存しておる事がポイントじゃ。
要は、被贈与人の思い通りに、財産や資産、有価証券の所有を移転することができるという訳じゃな。
このように、被贈与人が意図的に財産をコントロールすると、実際は発生するであろう税金を、資産を分散することで回避しようともくろむ者も出てくるものじゃ。
そこで政府は、このような財産の贈与に対しても贈与時に税金を課し、しっかり回収できるようにしておるのじゃな。
贈与税には、贈与税の基礎控除として110万円の控除が予め認められておる。
贈与税自体は年間を通しての算出方法となるため、贈与税の控除に対しても年間で算出することとなるのがポイントじゃな。
上記計算式を把握しておけば、後は贈与を受けた金額によって設定されている税率と控除額を算出することで贈与税額を求めることが可能となる訳じゃな。
贈与税の税率は10%~50%と幅広い税率設定となっており、基礎控除(110万円)を差し引いた後の課税価額によって税率が変動してくる点がひとつのポイントです。
特に難しい計算は必要としませんが、課税価額に対する税率と控除額を覚えていないと贈与税は算出することができないため、以下の表を覚えておくと便利です。
【贈与税の税率・控除速算表】 | ||||
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基礎控除を差し引いた後の課税価格 | 税率 | 控除額 | ||
200万円以下 | 10% | - | ||
300万円以下 | 15% | 10万円 | ||
400万円以下 | 20% | 25万円 | ||
600万円以下 | 30% | 65万円 | ||
1000万円以下 | 40% | 125万円 | ||
1000万円超 | 50% | 225万円 |
では、ここからは具体的に贈与税控除の計算と贈与税額の算出方法についてチェックしていきましょう。
【年間の贈与額500万円の場合】
1年間の贈与額が500万円相当の贈与を受けたケースでの贈与税の計算例を見てみましょう。
流れとしては、まず評価額500万円から贈与税の基礎控除額を差し引き贈与税課税対象額を算出します。
※500万円-110万円=390万円
続いて贈与税の税率・控除速算表を確認し390万円が該当する金額を探し400万円以下に該当する20%の税率をかけます。
※390万円×20%=78万円
最後に算出して求められた78万円から控除額を差し引き
※78万円-25万円=53万円
となり贈与税額は53万円となることがわかります。