会社を定年退職、もしくは中途退職をした際に支払われる退職金ですが、実際に退職金の手取額は幾らになるのか?
これはとても気になるものですね。
ここでは実際に退職金の手取り額を算出する為の計算の流れを見ていきましょう。
尚、この退職金の手取額を算出する前に、前項までに解説してきた退職金に対して受けられる退職所得控除を算出しておく必要があります。
実際の退職金の手取額を算出するには、この勤続年数などによって変化する退職所得控除額の計算が必ず必要となるのです。
退職金の金額ではなく、実際に所得税などが差し引かれた後の手元に残る退職金の手取り額を把握しておくことは大変重要じゃ。
もし退職金を元に今後の支払いに関する計画を建てている場合は、実際の手取り額が予定よりも少なかった場合に後々苦労することになるかもしれんからのぉ。
その為、退職後の人生設計を検討する際は、退職金の実際に手元に残る手取り額を把握しておくことが大切なんじゃ。
退職金の手取り額を算出する計算式は幾つかのステップを踏む必要がある。
慣れるまではやや難解に感じるかもしれんが計算式どおり算出することで自分でも手取り額を確認することができるようになってくるはずじゃ。
以下は退職金にかかる税金がどのように計算されているのか?そして実際に支給される退職金額の算出までの流れを示した一覧表じゃ。
退職金の手取額の計算方法は、退職金総所得額(額面上の金額)からまず退職所得控除の計算方法の項で算出した「退職所得控除額」を差し引き、その控除額を差し引いた金額から更に2分の1の金額が退職金の課税対象額となります。
この退職金の課税計算対象となるベースの額をまず算出し、その後、ベース額に所得税率と住民税率をそれぞれかけ、上記表の青い部分である「退職所得課税額」を算出します。
退職所得課税額とは退職金にかかる税金の事ですね。
最後に、退職金総所得額(額面上の金額)から税金(退職所得課税額)を差し引いて算出された額が実際の退職金の手取り額となるのです。
退職金は税法上は「給与所得」としてみなされます。
一生懸命長年働いてきたご褒美とも言える退職金にも、しっかりと所得税と住民税が給与所得として課税されてしまうのです。
退職年度は、その年度の実際の給与額にプラスして退職金の額が給与所得として計算されるので納税額は確実に膨らみます。
尚、この退職金の税法上の取り扱いを考慮し、退職金が多額になる場合は退職年度へ向けて不自然とならない範囲で徐々に年収を下げていく節税法等も存在します。
退職金の使い道の計算は税金を深く考慮せずに額面の退職金額で計算していると、例えば住宅ローン等の支払いを検討している場合に退職後にローンの支払が困難になる可能性も出てきます。
ですから可能であれば退職年度の4~5年以上前からしっかりとした計画を建てて置くことが重要です。