年末調整とは、毎月の給与から天引きされている所得税額に対し、年末に各種控除額を適用した状況で再度計算をし直し、年度の所得税を確定させる制度の事をあらわします。
もし天引きされていた所得税などが過剰に納付されていた場合などは年末調整によって過剰に支払っていた納税額が還付されるケースがあります。
一般的にサラリーマンの場合、年末調整を行うことによって、所得税の還付がなされるものじゃ。
これは、毎月天引きされている所得税額には、税法上認められている各種所得控除などの控除計算が反映されてないの主な原因じゃ。
具体的には、一般的にサラリーマンは生命保険に加入しておるものが多い。
これら生命保険には生命保険料控除という控除制度が認められておる。
生命保険に加入しておるものであれば、「保険料控除証明書」と記載されている書類が郵送で生命保険会社から送られてきておるのを一度は目にしたことがあるはずじゃ。
毎月天引きされておる所得税額は本来受けることが可能な控除額などは一切考慮されていない。
その為実際にこれら控除の適用を受けると、課税のベースとなる「課税対象所得額」が低くなり、その分実際の所得税額も低くなるという訳じゃ。
そして本来支払うべき以上の所得税を天引きされていた訳じゃから、その差額分が戻ってくる。
これが年末調整によって算出された還付金額という事じゃよ。
上記の課税のベースとなる「課税対象所得額」を計算するには複数の計算が必要となります。
計算の順番としては、以下の順番で計算していくのが通常の流れとなります。
①まず給与所得とみなされる所得額の計算
⇒給与所得額の計算方法参照
②給与所得控除額の計算
⇒給与所得控除額の計算方法参照
③保険料控除額の計算
⇒保険料控除額の計算方法参照
④家族が居る場合は配偶者控除、扶養控除の計算
⇒配偶者控除の計算方法参照
⇒扶養控除の計算方法参照
⑤各種条件に適用する控除計算参照(医療費控除など)
⇒医療費控除の計算方法参照
これら複数の計算過程を得て、自分のベースとなる「課税対象所得額」を算出していきます。
最初は、難しい言葉も多く、わかりずらく感じるかもしれませんが、①番以降は順に引き算をしていくことで、これらは算出する事が可能です。
ベース額さえ把握できれば、自分の支払うべき所得税額から、実際に天引きされている所得税額の差額が還付されると計算出来ますし、住民税についても自分でおおよその金額を把握しておく事が出来ます。
各種計算式を参照に、ひとつづつ計算していくと、2回目以降は意外と簡単に算出出来るようになるので、例などを参照に計算して見ましょう。